Glass Artist Mitsuhiro Hara
Interview
ガラス作家:原光弘インタビュー
-December 01, 2018 Update GlassArtist Mitsuhiro Hara
”歪みのあるグラスに凹凸のあるフォルムを”ガラス作家:原光弘インタビュー。
滑らかで厚みのあるグラスを制作する原光弘さん。その柔軟な発想はどこから生まれるのか。原光弘さんのユニークで美しいガラスアートワークを紐解く。
ー 新しいシリーズ「ドットデザイン」は、どのようにして誕生したのですか?
原光弘:ハイボールのグラスを見てたら、「これはできんことないなぁ」と思って。 それを新しいパターンでやりたいなと思って。 道具を変えることによってこういう風(凹凸のあるデザイン)にできたのでね。 できた模様を見たときに魚眼レンズというか、点々が何個か見えるんでね、「ドット」ってつけたんです。
ー 手触りは、どんな感じですか?
原光弘:吹きガラスは、まだ形成されてないガラスに息が入って薄くなるんですが、道具で押した箇所にドットが残るんです。そのドットの箇所だけは、ガラスが厚めに残ります。 その時の息の入れ方で、ドットが薄くなったり厚くなったりして、内側にも外側にもガラスの動いた形跡を感じられると思います。
ー ドットがあることで持ち心地が良いし、安心感がありますね。
原光弘:ドットの厚みは随分悩みました。 一回作ったものを全部おじゃんにして(笑)。グラスは、背の高さも悩みました。 背が高すぎると洗いにくいので。 女性の方は特に、洗うときのこと想像されるでしょ。 また男の人と女の人で持ち心地の個人差もあるし、 氷多く入れるとか、少なめとか、そのあたりも考えましたね。
ー グラスの口縁(口周り)の厚みや大きさも意識して制作されていますね。
原光弘:今回のグラスデザインですと口縁(口周り)の厚さは、ドットを全体につけることによって部分的に縮むんです。 少し波打つようなフォルムになるので、そのガラスの性質を使って、わざとガラスを遊ばして、嫌味のない自然な崩し方にしてます。
ー ガラスに任せて自然な動きを作っておられるんですね。
原光弘:形はきっちりとは揃わないんですけど、 ガラスが遊んでくれたその動きが楽しいんじゃないの、という感覚で作っています。 失敗するかもしれないけど、失敗直前の段階が一番楽しいんです。 陶器の器なんかでもわざと崩してあるのがあるでしょ。 あの感じがガラスやと、自然に出てくれるから、 私はほんとにガラスに助けられてるな(笑)
ー このドットハイボールグラスはハイボール以外にも何か使えそうですね。
原光弘:アイスコーヒーとか、酎ハイとかいけそうですね。 パフェとかもいいかもしれませんね。 いつもお客様が自分たちでは想像つかない使い方を工夫してやって下さるから、 とても驚いて喜んでます。