Potter Interview

Potter:Yoshiro Taya
Interview

陶芸家:多屋嘉郎インタビュー
-October 03, 2022 Potter Yoshiro Taya

”弟子やから真似したらあかんと思いながら憧れてるから。”

京都で焼締のうつわを制作する多屋嘉郎さん。師匠:荒木義隆さんから受け継いだ焼締について教えていただきました。

ー 多屋さんの器は焼締に美しい櫛目が特徴の一つですね。
多屋嘉郎:ステンレスの道具があるんですけど、器を逆さまに置いて轆轤に添いながら描いていくんです。描いていって、ボロボロになった粉は、乾燥させてから、全部取って。その後、一度素焼きをして、その後にまた化粧で筆でちょっと隙間に塗っていくんですね。それでこういうマダラな模様になっていきます。このざらっとした感じも気持ち良いかなって。
ー コーヒーカップも多屋さんの独自のフォルムとなっていますね。
多屋嘉郎:この形が好きなんですよ。下がぼてっとして安定感があるのと広がっているのが、 ちょっとすぼまってる感じが僕は好きで。
コーヒーカップ
ー 焼締吹き掛けの器も面白い表情を持っていますね。
多屋嘉郎:薄い釉薬を息で吹くんですけど,その吹き方にもよってこの釉薬の色合いが違って水に浸けると釉薬がよく映えるんですねそれもちょっと面白味かなと思います。
コーヒーカップ
ー 多屋さんが焼締制作を始めたきっかけはなんだったんですか?
多屋嘉郎:独立した時に何を売っていいか、わからへんような時期あって、荒木さんは(師匠)多分困ってるのを分かってたと思うんです。それで荒木さん(師匠)が見るに見かねてかもしれないですけど「キミ、(焼締の)焼き方わかってるやろ」と言うんで、「はい。」と言って・・「やったらいいぞ。」って言ってくれたときは嬉しかったですね。
多屋嘉郎: やっぱり弟子だから真似したらあかんと思いながら憧れてるから。 同じことをやったらあかんと思うんですけど、やっぱり焼締が好きだったから。 同じようにしたいけど、変えたいなっていうのもあって 焼き方が違うといえば、もみ殻を入れているのと 墨の置き方を変えているんです。 荒木さん(師匠)の饅頭置いた時の焼き跡とは ちょっとだけ違います。温度が高いんです。 1250度で焼いている焼締かなと思うんです。